社団法人全国ベビーシッター協会が1991年に活動を開始して間もなくから、協会の会員として活動するベビーシッター事業者の実態を調査し報告してまいりました。その後20年以上前から、ベビーシッター事業者編のほかベビーシッター編及びベビーシッター利用者編が加わり、「ベビーシッターNOW」あるいは「BABYSITTER NOW」というタイトルで毎年報告書が作成されてきました。さらに5年前からは、認定ベビーシッター資格取得指定校を対象とした指定校編が加わりました。
その間の社会状況、保育制度に関する状況の変化を反映し、家庭訪問保育をめぐる状況にも多様な変化がみられました。実態調査報告の内容をみますと、歴史上の推移による実態の変化と共に、家庭訪問保育へのニーズや対応に大きな変化はみられず、常に重要な必要な保育サービスが一定の割合で展開されてきたことを垣間見ることもできます。
平成29年度の事業者調査、保育者調査、利用者調査の結果をみますと、事業者が対応するシステムには時代的に大きな変化はみられず、おおむね定着した内容が特徴として示されています。しかし、子ども・子育て支援制度に伴う地方自治体行政との連携の強化は、事業者にとって非常に今日的な課題となりつつあることをみて取ることができます。
一方、保育者調査の結果をみますと、家庭訪問保育者による保育の態様にも比較的変化のない部分とともに、たとえば保育者の年齢構成に変化が見られます。利用者調査の結果をみましても、同じく定着した利用状況の部分とともに、制度上の利用に伴う変化が見られます。
ACSAは、家庭訪問保育の質の維持向上を図ることを常に最も重要な役割・使命として、活動を続けてまいりましたが、今後もいつの時代にも変わらぬ恒常的な体制に基づく質の維持向上、そして時代や社会、制度上の変化に対応した質の維持向上の両面から、その役割を果たしてまいりたいと思っています。
公益社団法人 全国保育サービス協会
前会長 網野 武博
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